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時間経過の方法 「祈願樹」

父親が普段どんな仕事をやっているかって、案外知らないものですよね。
僕の父はもうじき定年なのですが、子供の頃、父の会社の会社見学に連れて行って貰った事があります。
自分の親がどんな仕事をしているのか、それを知るという事もやはり大事な事の一つなんではないでしょうか。


 時間経過の方法
「祈願樹」





   人物
 満嶋光子(19)
満嶋幸之助(24)光子の兄
 満嶋勘助(46)光子の父
 満嶋芳子(45)光子の母





○満嶋家・居間
   平屋建てのコテージ風の建物の満嶋家。
   その窓から外を眺めれば、広大な高原が広がっている。
丘の上には一本の桜の大木が花を咲かせている。
小高い高原の丘の上では、満嶋勘助(46)が丘の土をスコップで掘り返している。
勘助の傍らには桜の苗木が立っている。

○丘
   勘助、スコップで土を掘り返すと、苗木をその穴の中に入れる。
勘助、スコップで土を苗木に掛け、穴を埋める。

○丘
   穴を埋め終わった勘助。
   見上げる勘助。
   丁度、勘助の背ぐらいある苗木。
勘助、苗木の幹を手でピタピタと叩くと、
勘助「二年目か・・」
   勘助、そう言うとスコップを手に取り、歩き出す。

○満嶋家・光の部屋(深夜)
   机では机のライトを点けて、満嶋光子(19)が机に向かってこっくりこっくり船を漕いで眠っている。
机の傍らには小型ラジオが置かれてあって、ラジオではDJが深夜ラジオトークを繰り広げている。
机には大学の赤本が置いてある。
   ラジオのDJの叫び声と共に光、ビクリと目を覚まし、飛び起きる。
その拍子に、机の上に置いてある大学の赤本を床に落とす。
赤本、床の上に落ちる。
光子、目を覚まし、首を振り、床の上の赤本を拾う。
ラジオDJ「今日出来ると思った事は明日、やろうー!」
   光子、寝ぼけ眼の目で、赤本を閉じ、
   机の本棚に終うと、
光子「お休み」
   光子、机のライトを消し、バタリと机に突っ伏し、机に頭をぶつけ、寝てしまう。
   
○同・居間(朝)
   テーブルに朝食が並べられている。
   テーブルでは満嶋幸之助(24)が座ってご飯を食べている。
そこに光子がやってきて幸之助の隣りに座る。
   テーブルに満嶋芳子(45)が朝食のおかずを運んで来る。
芳子、テーブルにおかずを置く。
光子「おはよう、お母さん」
光子、おかずを受け取り、食べ始める。
光子「お兄ちゃんはいいなぁ」
幸之助「何が」
光子「お兄ちゃんは何の努力もせずに、さっさとお父さんの跡継いじゃって」
幸之助「じゃあお前が親父の跡、継ぐか?俺はそれでもいいんんだぞ」
光子「え、いいよ。私は絶対、東京の大学行くんだもん」
幸之助「お前、何で大学に入りたいんだ」
光子「そ、そんなの、一言じゃ言えないよ」
幸之助「それじゃ面接落ちるな。一言で言えるという事はそれだけ目標がはっきりしているという事だ。ご馳走様」
幸之助、立ち上がる。
光子「待って、お兄ちゃん」
   幸之助、光子の方を振り向く。
幸之助「何だ?」
光子「何でもない」
   光子、幸之助を見つめる。
   窓の外からは丘の上に散りかけた桜の大木と植えたばかりの桜の苗木が見える。

○作業場(夕)
   幸之助が木材を台に乗せ、カンナでその木材を削っている。
光子、戸口から入ってきて、戸口に立つ。
幸之助、気にせずカンナ掛けを続ける。
   光子、幸之助を見つめ、
光子「お兄ちゃん」
   幸之助、カンナ掛けを続けながら、
幸之助「ん?」
   幸之助、カンナ掛けの手を休め、光子の方を向き、
幸之助「座れよ」
   幸之助、椅子に座る。
   光子、作業場に入ってきて、幸之助の前の椅子に座る。
光子「お兄ちゃんってどうしてお父さんの跡、継ごうって思ったの」
幸之助「ああ」
   幸之助、立ち上がり、窓辺に立つ。
幸之助、窓から外を覗く。
作業場の窓の外からは、新緑を付けた桜の大木と苗木が見える。
   幸之助、光子の方を振り返ると、
幸之助「お前、親父の事好きか?俺は嫌いだね。頑固者だしな」
光子「そうだね」
幸之助「だけど、仕事は別だ。一緒に仕事やるようになって、尊敬出来るようになった」
光子「ふーん」
幸之助「かっこ悪いから親父には言うなよ」
光子「言っちゃお」
幸之助「おいっ」
   光子、椅子からピョイと立ち上がると、
光子「ねえお兄ちゃん。お兄ちゃんいつか私に言ってくれたでしょ?」
幸之助「?」
光子「私、大学に行くわけ、今ならちゃんと言えるよ」
幸之助「ほう、じゃあ今、言ってみろよ。30秒以内で。ほら」
光子「言わない。秘密」
幸之助「そんなで大丈夫か?不安だな~」
光子「(笑って)大丈夫」
そして光子、戸口に向かって歩いていく。
光子「そうだ、ご飯もう出来てるよー」
   光子、戸口を出て行く。
   幸之助、戸口を出て行く光子を見つめる。
窓からは深緑の桜の大木と苗木が立っているのが見える。

○満嶋家・外(朝)
雪が所々に積もっている。
   光子、制服の上にマフラーにコートを羽織り、玄関に立っている。
手には鞄。
   芳子も玄関に立っている。
芳子「前の日はちゃんと早く寝るんだよ」
光子「うん」
芳子、光子をジッと見つめたまま何か言いたげだが、黙っている。
光子「じゃあ行ってくるね」
芳子「光子」
光子「ん?」
   芳子、ガッツポーズを取る。
   光子、笑う。
光子、歩いていく。

○作業場(朝)
   勘助、作業場の椅子に座って煙草を吸っている。
作業場の窓から光子が丘を登って歩いて行くのが見える。
作業場の窓から見える光子の後ろ姿と桜の大木と苗木。
勘助、窓の外を見つめる。

○大学講義室・中
   沢山の生徒の中に光子が座って試験を受けている。
   光子のテスト用紙に向かう真剣な表情。

○大学・教室
   光子の座る椅子の前には数人の面接官が座ってテーブルがある。
面接官「では満嶋さん。あなたがこの大学を志望した理由を教えて下さい」
   光子、口をキュッと結んで、
光子「はいっ。私がこの大学を志望した理由は、人に尊敬される大人になりたいからです」
面接官「尊敬ですか」
光子「私の父は大工をしています。そして私の兄は父の仕事を継ぎました。先日兄と父の話をした時、兄は父の仕事を尊敬していると言っていました。そんな兄を私は格好いいと思いました。だから私もこの大学に入って、様々な知識や経験を積み、人様に尊敬される大人になりたいと思います」
光子、ニコリと笑う。

○大学・キャンパス
合格発表の看板の前に人々が群れている。
光子、自分の番号を見て、看板を指差し見る。

○作業場
   窓から満開の二本の桜の木が見える。




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Author:k.気持ちの持ちよう
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